「真夏なのに寒いと言って
何枚も着て厚着して。
でも、うちわで扇いでいるんです」
以前、こんな話を聞いたことが
あります。
ここ最近は猛暑で
35度を超えることもありますから
厚着していたら、熱中症になるのでは?
そう思って心配になりますね。
それなのに、認知症の本人は
「寒い、寒い」と言って
厚着して布団をかぶっている。
何が起こっているんでしょうね?
実はこれ、
汗をかきすぎて
寒くなっているのです。
汗をかいた後、
風に当たると体が冷える
そんな経験ありませんか?
私は、講座中によくあります。
講師をしていると
受講生より汗をかきます。
交感神経が
バリバリ働いているから。
(もしかしたら更年期のせいかも)
暑くて汗をかいているときはいいのですが
汗が乾いてくると、寒くなってくる。
それと同じです。
夏で暑い
↓
汗をかく
↓
気化するときに熱を奪う
↓
寒気がする
↓
寒いから厚着する
↓
汗をかく
↓
気化するときに熱を奪う
・
・
・
(繰り返し)
と悪循環が続くのです。
私たちは、
汗をかいたから寒くなっていると
気づくことができますが、
汗をかいた記憶がなくなったら
どうでしょうか?
季節がわからなかったら
どうでしょうか?
汗をかいていることがわからなかったら
どうでしょうか?
理由はわからないけど
「寒い」になってしまいます。
認知症になると
季節がわからなくなったり
体が不快な理由が
わからなくなったりします。
だから、夏の暑い日に
「汗をかいているから寒い」
それがわからなくなるのです。
真夏に「寒い」と言っている人がいたら
まず、服や毛布の中の身体を
触ってみましょう。
そして汗をかいているなら
よく絞ったタオルで拭いて
着替えをしましょう。
そうすると
「寒い」がなくなるかも
しれません。