認知症のお母さんに食事を出してもじっと見ているだけでなかなか食べない。
目が悪いわけではない、デイサービスでは食べるから食欲はあるはずだけど。
やることがたくさんあって忙しい中、食事にも気を使っているんだけどなぜだろう?
忙しい合間を縫って内容に気を使いながら食事の準備をしたのに、食べてもらえないと、悲しくなるし、食べないことに対し、心配になりますよね。
このように認知症の人が食欲はあるのに、目の前にある食事に手を付けないということがあります。
私たちは目の前に食事が準備してあれば、とまどうことなく全部食べることができます。
ではなぜ、認知症の人は食事が目の前に準備されているのに、食事を食べることができないのでしょうか?
この記事では、認知症の人が目の前にして準備ある食事を食べられない理由と対処法についてお伝えします。
食事の始まりは認識から
人は目の前にあるものを食べ物だと認識しなければ食べることができません。
私たちは、見たものを記憶と照らし合わせてそれが何であるか判断(認識)しています。
認知症になると認知機能が低下して、目は見えていても、それが何であるか認識できないということがあります。
認識できなければ、目の前に準備されていても、食べることができません。
ナスが認識できなければ、ナスは食べ物だとわかりません。
食材と食器の色が同じだと認識できない場合もあります。
また細かく刻んだりして原型をとどめていないものも、食べ物と認識することが難しかったりします。
健常であれば、原型をとどめていない食材やいまいちなんだかわからない食材があっても、想像力があるので、その食材を推測することができます。
しかし認知症になると想像する力が低下するので、目の前にあるものが何であるかを推測することができず、食べられなくなってしまうのです。
食べ物とわかる工夫を
認知症の人が、食べ物を認識できず食べられない場合、認識できるように工夫しましょう。
例えば
・メニューをつける
・「ナスおいしいよ」など食材を紹介する
・食材と食器の色のコントラストをつける
・目の前で細かくする
・一つのお皿に乗せる
・別々のお皿に乗せる
相手に合わせこのように工夫し、認知症の人が『食事』と認識できるような食卓にしましょう。
また、デイサービスでは食べているようなら、どのような食事方法なのか、聞いてみるのもいいでしょう。
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まとめ
健康な状態であれば、無意識に食事を認識しているから、目の前に出された食事をとまどうことなく食べることができます。
多くの人は無意識を意識することが少ないので、認知症になって食事が食べられなくなっても、なぜ食べられなくなったのか自分でもわかりません。
もし、食事を出しても、じっと見ているだけで手を付けない、一定のものだけ食べないなどがあるようなら、認識できるような工夫をしてみましょう。
関連動画
<認知症でご飯を食べない場合、刻んだ食事を出すよりも目の前で細かくすることで食べられるようになる>
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