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レビー小体型認知症とは

パーキソニズムによる歩行障害

認知症とは、認知症という病気ではなく、原因となる病気があって、生活するうえで支障が出ている状態をいいます。

その原因のうち、アルツハイマー型に次いで頻度が高いと言われているのがレビー小体型認知症です。

ここでは、レビー小体型認知症の症状や特徴、進行について、私自身の経験も交えながらお伝えしていきます。
(症状や進行には個人差があります)

レビー小体型認知症を簡単に説明している動画はコチラ↓ ↓ ↓

レビー小体型認知症の成り立ち

レビー小体型認知症は、パーキンソン病でも出現する、レビー小体と呼ばれる異常構造物が脳幹や大脳皮質全体にみられます。レビー小体のたんぱく質が神経細胞を減少させ、認知機能の低下を引き起こします。
またレビー小体が交感神経幹に出現することにより、自律神経症状をひきおこします。

認知症の症状とその進行

レビー小体型認知症の初期では記憶障害以外の症状が先行します。認知症の中核症状により徐々に認知機能も低下していき、周辺症状(BPSD)も現れますが、レビー小体型認知症特有の症状が出現します。

認知症の中核症状と周辺症状

レビー小体型認知症の主な症状

レビー小体が原因で起こる症状(レビー小体型認知症特有の症状)

パーキンソン様症状(パーキソニズム)
便秘や頻尿、起立性低血圧などの自律神経症状
薬が効きすぎる薬物過敏性

中核症状

見えているのに認識できない視覚失認
段取りが難しくなったり要領が悪くなる実行機能障害
その場における適切な判断ができなくなる判断力の低下

周辺症状

子供や虫などがいるといった幻視
幻視に伴う妄想

レビー小体型認知症では、脳の興奮を高めたり、認知機能を保つ神経伝達物質アセチルコリンと運動の調節や気分に関係する神経伝達物質ドパミン両方が減少するので、無気力でうつ傾向が強くなります。

レビー小体型認知症の進行

初期

幻視

視覚に関する場所である後頭葉でレビー小体が増加し、また血流が低下することで、幻視や視覚に関する障害がでます。また幻視に関係した行動や妄想も出ることがあります。

パーキソニズム

運動機能に関わるドパミンという神経伝達物質が不足し、パーキンソン病のような筋肉のこわばりや、小刻み歩行などの歩行障害がみられます。

レム睡眠障害

夜中に大騒ぎして、近所の人がびっくりしたりと、レム睡眠時(眠りが浅い時)に夢に反応して叫んだり、暴れたりします。

自律神経症状

便秘や失禁、残尿、頻尿などの排尿障害、めまいや失神などの起立性低血圧、発汗など自律神経症状が現れます。

過敏性

薬に弱く、作用も副作用も強く出ます。また私の印象では、暑い・寒いなどの外気温や風、日光などに弱い人もいます。

進行期

初期の症状がよくなったり悪くなったりしながら進行していきます。

変動する意識や認知機能

昨日はわかっていたのに、今日はわからないなど、日や時間帯によって、意識や認知機能がはっきりしている時と、そうではない時があります。

記憶障害

思い出せない→忘れる(憶えられない・憶えていない)に変化していきます。

見当識障害

時間や場所、人間関係の見当がつかなくなります。見当識障害だと思ったら、視覚認知機能の障害の場合もあります。

妄想

幻視や、みまちがえ(誤認)から妄想に発展することもあります。

重度

認知機能が低下し、またパーキソニズムにより身体機能も低下します。トイレや入浴、更衣など、日常生活のほとんどに介助が必要になります。徐々に歩行も難しくなっていきます。

また、食べ物や飲み物を飲みこむ能力(嚥下機能)が低下し、食事の介助が必要になったり、上手く飲み込めず、誤嚥による肺炎を起こす可能性もあります。

まとめ

レビー小体型認知症では、認知機能の低下や記憶障害もありますが、特有の症状により、QOL(生活の質)が低下する可能性があります。

病気が進行してくると、運動機能や身体機能が低下していきます。そのため、転倒に注意が必要です。身体機能が低下していきますが、できるだけリハビリテーションや、可能な範囲での散歩や運動をして、身体機能の維持に努めましょう。

他の認知症でも同じですが、特有の症状を知り、それに合わせて病院や介護サービスと連携しながら適切な援助をすることで、本人も介護者も安心して生活できる環境が整います。

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