実行機能障害で計画がキャンセルできないのは保続と同じでしょうか?保続は同じことを続けるって聞きました。
先日、マスター講座内でこのような質問がありました。
実行機能障害は”目的を持った一連の活動を効果的に成し遂げるために必要な機能である。そのため、以下の機能が障害された状態と考えられている。
Wikipedia
・目標の設定
・計画の立案
・目標に向かって計画を実際に行うこと
・効果的に行動を行うこと
設定した目標を遂行するために
計画を立案し、その計画を
常に修正しながら
計画を実行していきます。
なぜ修正しながらかというと
効果的に行動するためです。
認知症になると、
実行機能が障害されます。
目標を設定することができても
その目標を遂行するための計画や
計画の修正が難しくなります。
計画を修正するためには
前に立てた計画をキャンセルする必要が
ありますが、それが難しい。
そんな話を講座内でしていたら、前述の
『実行機能障害で
計画がキャンセルできないのは
保続と同じでしょうか?
保続は同じことを続けるって
聞きました』
との質問をいただきました。
保続とは
一度自分の行った行為が
その後も繰り返される現象です。
保続が強いと一つ目の課題はうまくできても
それ以降の課題で保続による
誤りが続くことがある。
参考:鈴木匡子著 高次機能障害の診方
例えば、ボールペンを見せて
「これはなんでしょう?」と聞く。
「ボールペン」と答える。
次に、歯ブラシを見せて
「これはなんでしょう?」と聞く。
「ボールペン」と答える。
最初のボールペンという答えが
キャンセルできないのです。
これは、行動レベルの問題で、
それに対し、実行機能障害は
行為レベルの問題なのではないかと
私は思っています。
ちなみに行動とは
人間を含む動物の活動や
行い全般を指す言葉。
行為とは
人が意志に基づいてする動作
意図や目的を有する人間の活動。
(ウキペディアより)
実行機能障害のキャンセルができないは
目標に向かった一連の流れの中で
前にあった計画がキャンセルできず
効果的に行動ができないのに対し
保続は前にあったことを持ち越してしまう、
そこには目標とか計画は入っていないのです。
また、実行機能障害では
計画の変更や、効果的な行動は
自分ではできなくても
他人の介助があればできます。
それは、選択肢が思いつかず、
計画の修正ができないから。
それに対し、保続は
他人の介助があっても
誤りを正すことができないと
言えるでしょう。
それは、選択肢を思いついていても
脳の障害により、
行動を変更することができないから。
質問があった時、
私は「保続」を知りませんでした。
今回調べてみて、
ほんっと脳って奥が深くて
面白い!
脳の機能を知ることで
認知症介護ってクリエイティブ!って
ますます思いました〜。