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認知症予防のために気を付けたい5つの生活習慣

脳の活性化
認知症予防のために気を付けたい5つの生活習慣

認知症は予防できますか?と聞かれることがあります。認知症は原因となる病気があって、認知症と言う状態になっています。

認知症の原因が脳血管性障害の脳血管性認知症ならば、生活習慣病に気を付けることで、脳血管性障害のリスクを減らすことは可能だと考えます。

しかし、癌を予防するのが難しいのと同じで、アルツハイマー病などの変性疾患では原因となる病気を予防するのは難しいでしょう。

しかし、認知症という状態を予防する可能性はあるかもしれません。
(医学は常に進歩しておりあくまでも情報として捉えていただきたいと思います)

というのも、ある修道女は、死後に脳を解剖したところ、重量が通常の70%ほどになるくらい脳が委縮しており、脳の中は「ゴミ」だらけ。アルツハイマー病を発症して当たり前といえる状態でした。
ところが実際は、認知症の症状はまったくなく、知能テストで高得点を取っており、100歳になってもしっかり生活を維持していたとのアメリカの研究結果があるからです。

その修道女は、19歳から84歳まで数学教師をしており、日々の暮らしでも様々な認知活動をしていました。おそらく前頭前野が発達して、機能が衰えてしまった部分をカバーしていのではないかと考えられています。また、規則正しい生活や日記もよかったようです。それが脳の老化を遅らせ、脳機能の維持ができたのではないかと言われています。

アルツハイマー病などで脳神経細胞がダメージを受け減少すると、脳神経細胞のネットワークも減少してしまいますが、新しいネットワークをつくることで失われた機能を補完できるといわれています。

さまざまな研究から、脳神経細胞のネットワークを増やし、脳を活性化することで、認知症の発症や進行を遅らせることができると考えられています。

※病気などがある場合の運動や食事内容は医師に相談してください

認知症予防-知的活動で脳のトレーニングをする

認知症予防の知的活動

最近、記憶力が悪くって・・・。喉元まで出かかっているのに、思い出せない。など脳の働きが弱くなったと感じることはありませんか?

その原因は、年を重ねるごとに、脳神経細胞が減っていくからです。脳神経細胞の減少と共に、脳神経細胞のネットワークも減少し、物事を記憶や判断などの認知機能の低下を招きます。

脳神経細胞の減少を止めることはできなくても、脳神経細胞のネットワークは鍛えることで増えます。脳トレなどの知的刺激を行うことで、脳神経細胞のネットワークを作りだし、鍛えることができます。
脳神経細胞のネットワークを作り、鍛えることで、脳全体の働きを改善し、脳が活性化します。

脳神経細胞のネットワークは筋肉と同じで、鍛えれば鍛えるほど強くなり、鍛えるのをやめると弱くなります。

脳神経細胞のネットワークを新しく作り鍛える方法は以下の通りです。脳を鍛えるためには、受動的な活動ではなく、自ら積極的に脳の活性化のための活動をする必要があります。

脳の活性化のための知的活動のために

興味や好奇心があるものを選択する

脳神経細胞は、ワクワクすることや、ときめくこと、好奇心・興味が大好きです。

例えば、勉強が好きな小学生は、好奇心を持って、勉強に取り組むことができます。「これはなんだろう?」とか「どんな答えになるのか知りたい!」から始まり、自分で調べたり、誰かに聞いたり考えたりすることで、知的好奇心を満たしていきます。知れば知るほど面白くなっていく。知れば知るほど好奇心や興味が膨らんでいく。そして、様々な知識を手に入れ、脳神経細胞のネットワークも発達していきます。

ところが、「勉強なんてやる気がない」という小学生はどうでしょう(かつての私がそうでしたが)勉強に対し好奇心や興味がないので、調べる気にもならないし、考えることもしない。勉強が苦痛でしかない。そうすると、ネットワークもあまり発達しませんし、脳は活性化しません。
これは、勉強に限らず、工作だったり、スポーツだったりもします。勉強と同じように、興味があれば脳神経細胞のネットワークは発達しますし、興味がなければあまり発達しません。

だから、脳を活性化するために、知的活動をしようとするならばまずは、ワクワクするもの、ときめくもの、好奇心、興味があるものを選択しましょう。
自分が何に興味があるかわからなければ、手当たり次第やってみるといいと思います。やっていく中で、自分の好きとか嫌いとかの基準がでてくるので、そのなかでワクワクするものを選ぶのがよいでしょう。

いままで学んだこととは違う分野を学ぶ。

習い事をしたことがある人なら、わかると思いますが、常に上を目指して(級や段をあげるとか、複雑な動きができるようになるとか)練習していたと思います。
練習を重ねるごとにできるようになっていき、そうするとまた更に上を目指す。そうすることで、どんどん上手になっていきます。

でももし、出来ていることだけを繰返していたら、級や段は上がらないし、複雑な動きもできるようになりません。

脳の活性化もそれと同じで、いままで学んできたことと同じ事をしていても、脳神経細胞のネットワークは維持することはできますが、増やすことは難しくなります。

未知の分野に注意を向けて、理解するために学ぶことで新しいネットワークをつくることができます。新しい分野を学ぶと最初は頭が混乱しているかのように感じるかもしれません。でもその時、脳の中では脳神経細胞が新しいネットワークを作るために頑張っています。学びを継続することで、新しいネットワークは強固になります。

ですから、今までとは違った分野の学びに挑戦してみましょう。新しい発見や学びがあり、ネットワークができることで脳が活性化していきます。

感情的に関わる

情報が入ると、記憶にするために海馬が情報を加工します。そして加工された記憶は大脳に格納されます。情報が入ってきた時に感情が伴っていると感情を司る偏桃体が働きます。海馬と偏桃体が協力すると、複雑な記憶の仕組みになり、記憶は強化されます。

また記憶する対象に関連することがあればあるほど記憶は強化されますので、感情を伴うだけではなく、感覚も伴うとさらに記憶は強化されます。
記憶は、脳神経細胞のネットワークから出来ているので、記憶が強化されるということは、脳神経細胞のネットワークが強固になるということです。

認知症予防-脳の活性化に効く運動

認知症予防のための運動

認知症予防のために効果があるという研究データが最も多いのは運動です。運動をすることで、脳が活性化し、認知症予防に役立つと考えられています。

認知症予防のための運動には有酸素運動と無酸素運動があります。

有酸素運動

有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリング、水泳など、長時間継続して行う運動で、体内の糖質や脂肪が酸素とともに消費されます。

有酸素運動による効能

①運動により、毛細血管が発達することで血行がよくなり、脳神経細胞に運ばれる酸素や栄養がいきわたりやすくなります。

②有酸素運動により、ある特殊なたんぱく質が放出されることにより
・脳神経細胞に送られる血液の増加
・記憶を促進する神経伝達物質の増加
・脳細胞のつながりの強化
がおこるといわれています。

③血行がよくなることで、動脈硬化を防ぎ、血圧を下げ、糖代謝を促進するため、生活習慣病の予防にもなります。

④ストレスホルモンといわれているコルチゾール値は海馬の委縮に関与していますが、運動することで、過剰なコルチゾールを減らし、セロトニンなどの神経伝達物質のレベルをあげ精神的ストレスを軽減させます。

効果的な有酸素運動の方法

①運動の頻度
1日30分程度の有酸素運動を週に3回ほど行うと脳が活性化し認知症予防に効果的といわれています。1日30分まとまった時間を取るのが難しければ、10分×3回でも良く、例えば出勤時一駅分早足で歩き、お昼休みにランチ場所まで早足で行き、帰りはまた一駅分早足で歩いて、トータル30分というのはいかがでしょうか。

②さらに効果的な有酸素運動の方法
・新しい道や初めて行く場所など新しい環境で脳を刺激する
脳は新しいことがあると、さらに活性化します
・運動に加えてしりとりなど、他のことを同時に行う
デュアルタスクといい、2つの動作を一度に行うことで、脳が適度に混乱して新しい回路ができやすくなります。
・ウォーキングなどの最中、咲いている花や木の名前を答えるなど知的な課題をこなす
これもデュアルタスクになりますが、好奇心を持って、知的活動を行うことで、脳神経細胞同士のつながりを増やすことができます。

無酸素運動

酸素運動とは筋力トレーニングなど短時間に強い力を発揮する運動で、運動の強度が高いために酸素を使うことができず結果として酸素を必要としないでできる運動のことです。

2-2-1無酸素運動の効能

①運動により筋力、筋パワー、筋肥大、筋持久力を高めることができます。

②筋肉トレーニングをして筋肉に負荷がかかると、筋繊維に無数の傷がつき、次はより強い筋肉をつくろうと筋繊維を修復し、修復するだけでなく、脳を含む体全体を強化します。

効果的な無酸素運動の方法

①運動の頻度
筋力の維持・向上には週に2~3回のペースで行うと効果的です。

②筋肉トレーニングを行う場所
筋肉トレーニングというと、トレーニングジムでマシンを使ったり、バーベルを挙げたりといったハードなトレーニングを思い浮かべるかもしれませんが、トレーニングジムに行かなくても、家でできるスクワットや腕立て伏せなどの自重トレーニング(自分の体重を利用する筋トレ)でも筋肉を鍛えることができます。
筋肉トレーニングになれていない人が、急に激しい筋肉トレーニングをすると、過度の疲労感から継続が難しくなりますし(経験あり)ケガや故障の原因にもなります。

自分にあった強度でトレーニングしましょう。

有酸素運動と無酸素運動の両方が必要?どちらがいい?

有酸素運動と無酸素運動の両方を行うの、は時間や年齢の関係から難しいかもしれません。その場合は有酸素運動だけでも、筋肉の維持、向上が望めますし、脳の活性化に関しては有酸素運動だけでも十分との研究もあります。

ただ、私の経験から言うと、筋力が低い状態から有酸素運動を行うより、低強度でもいいので、筋肉トレーニングで筋力を高めてから有酸素運動をしたほうが、安定したフォームで運動することができますし、持久力も高まり、またケガに備えることもできます。(私がそうでした)

運動のポイント

ただ、どのような運動をするにせよ、「やらなくちゃ」とか「やるべき」という強要や、義務を持った気持ちで孤独にやるのは、私はお勧めしません。

なぜなら、誰かに強要されたり、緊張感がある場面では脳が活性化しにくいばかりではなく、運動によるストレスを感じるとストレスホルモンのコルチゾールが増えてしまい、本末転倒になってしまうからです。

サークルなどで仲間を見つけて一緒に行うとか、ちょっとした隙間時間を使って、生活の中で自然に取り入れられる方法にするなどの工夫をして楽しく運動を続けましょう。

認知症予防につながる食生活

認知症予防のための食事

脳に大切な栄養素は、食事からつくられます。バランスの取れた食事はアミノ酸を合成し、神経伝達物質と脳の化学成分を作ります。

食生活を整えることで、脳を活性化し認知症を予防しましょう。そして食生活を整えることは、生活習慣病の予防にもつながります。

また運動の効果を高めるためには、バランスのとれた栄養を取ることが欠かせません。

認知症予防に効果があると言われている栄養素

脳の活性化に効果があるといわれている栄養素はDHA・EPA、葉酸やポリフェノールが有名ですが、それだけではありません。アミノ酸やビタミンB群は神経伝達物質の原料や合成に必要になります。また、ほとんどの栄養素が脳の活性化(認知症予防)に効果的と書いてある文献もあります。大切なのは、様々な栄養素をバランスよくとることでしょう。

高齢になると栄養を吸収する力が低下し、栄養不足になりがちですが、良質な栄養素を普段の生活の中で上手く取り入れるようにしましょう。

脳を活性化し、認知症を予防するための食べ方

よく噛む

脳を活性化し認知症を予防するためには、よく噛む(咀嚼)することが大切です。

よく噛むことで、
・唾液などの消化液が分泌され、食物の消化・吸収を促します。
・唾液中のホルモンは海馬への栄養補給と神経細胞の修復などの作用があります
・脳の血流が増え、動きが活発になり、活性化されます。

よく噛むためには
①30回噛む
全部を30回噛むのが難しい場合は、最初の一口だけでも30回噛みましょう。

②食べ物の工夫
雑穀米や、根菜類を入れましょう。(柔らかいものを減らす)

②一口を少なめにする
口の中いっぱいに食べ物を詰め込むと、口の中にスペースがなくなります。口の中に十分なスペースがないと、息苦しさを感じて、口の中にスペースを作ろうと、よく噛まないで飲み込みたくなったり、実際飲み込んでしまいます。

一口の適量は握りずしの半貫くらいの量です。このくらいの量なら口の中で30回噛んでいる間、食べ物が前後左右に移動してまんべんなく噛むことができますし、唾液とよく混ざり、消化吸収しやすくなります。

こころ豊かに食べる

豊かに食べるというのは、一人でも、友達や家族とでも、できるだけ加工品を避け、旬のものを調理し、味わって美味しく楽しく食べるということです。
毎回は難しくても、できるときにできるだけ、豊かに食べる機会を持ちましょう。

水分を保つ

脱水状態になると、脳神経細胞にミネラルや栄養を送れなくなります。1.5L/日を目安に水分をとりましょう。

認知症予防のために気を付けたい食べ物

糖類

お菓子だけではなく、ジュースやスポーツドリンクにも糖類が入っています。
糖分はたんぱく質を攻撃しニューロン同士のコミュニケーションを遅らせます。糖類の過剰摂取を避けましょう。

アルコール

アルコールを飲むと、ブドウ糖を脳の燃料に変える役割を果たしているビタミンB1が失われます。体内でアルコールを分解するために、ビタミンB1が使われてしまい、体内のビタミンB1が体の外に出て行ってしまいます。
また、稀ですがアルコールが原因の認知症もあります。
アルコールの過剰摂取を避けましょう。

トランス脂肪酸

直接神経細胞膜に吸収されて、脳細胞膜の通常の機能を阻害する場合があり、トランス脂肪酸と飽和脂肪の摂取量が増えると、認知機能低下と言われています。

トランス脂肪酸が含まれている食品は、ポテトチップスマーガリン、揚げ物、ドーナツなどです。

厚労省によると、「平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。
ただ、こうした研究結果は、トランス脂肪酸の摂取量が、平均的な日本人よりも相当程度多いケースの結果であり、平均的な日本人の摂取量においては、これらの疾患リスクとの関連は明らかではありません。」とあります。

ただ、脂肪の摂取は肥満や動脈硬化につながりやすいので、適度な摂取を心がけましょう。

認知症予防のために気を付けたい食べ方

よく噛まない

脳を活性化し、認知症を予防するためには、よく噛んだ方がいいのは前述の通りです。反対によく噛まないと脳神経細胞数の減少や、ドーパミンやアセチルコリン神経伝達物質の濃度が低下し、記憶や記憶保持能力を低下させたり、記憶・学習能を低下させ,認知機能に影響を及ぼすとされています。

もし、歯の問題で噛むことが難しいのなら、入れ歯などを検討して、よく噛めるようにしましょう。

ストレスをためるような食べ方

いくら脳にいいからといって「あれもだめ、これもだめ」と過度に嫌いなものを我慢して食べたり、好きなものを我慢したりすると、食事そのものがストレスになります。ストレスも脳の活性化の大敵です。ストレスをためない程度に認知症予防の食生活を取り入れましょう。

以前、セミナーで食事の目的を受講生に尋ねたことがあります。その受講生は「食事の目的はコミュニケーションです」と答えて、私は、そんな答えもあるのだと感嘆したことがあります。

多くの場合、食事を介した他人とのコミュニケーションは楽しいものです。普段一人なら、自分を喜ばせるための食事の計画を立てたり、たまには誰かと一緒に食べたり、一緒に食べる人のことを考えて計画を立てたりと、楽しめるような食事を考えて、行動してみましょう。五感を使って、感情を動かして食事をすることで、脳を活性化し、認知症の予防になります。

人生の豊かさを感じることは認知症予防にとても良い影響を及ぼします。食事は人生の豊かさを割と簡単に味わえる行動だと思っています。

認知症につながる社会活動(人付き合い)

友達との交流

人間は社会性の動物で、積極的な人間関係によって発達します。
脳を活性化する社会的サポートの力は、人が交流している時に必要とされる様々な知的、感情的訓練によって得られます。

社会的な関わりは、人間らしさを司る場所の脳の前頭葉を刺激し、発達させます。人と関わることで、脳神経細胞が活性化するので、関わりが減ると脳神経細胞のネットワークの活動が減っていきます。

孤独は、脳を委縮させる原因となります。

フィンランドで行われた研究で、50歳以降に一人暮らしだった人が認知症になる割合は、パートナーと暮らしている人に比べて役に2倍になるそうです。

孤独になると、病気や認知症のリスクが高まります。
歳を重ねると、子供の独立、定年退職、パートナーや友人との別れなどにより、社会とのつながりが少なくなっていきます。そのような理由により、人付き合いが面倒になることもあるかもしれません。

しかし、誰かと話したり、交流することは大切なことです。なぜなら、自分一人では、コミュニケーションは成り立たないからです。

誰かに話しかけられて、その答えを探す。こちらからの話に対する反応に答える。他人と話していると、必ずこのように相互間のコミュニケーションがあります。相手の表情を見て、話す内容を変えたりもするでしょう。
これには脳の、情動を司る部分が関係します。また、コミュニケーションをとる時には、多くは、言葉を話してコミュニケーションをとります。そうすると、言語を司る脳が活動します。

これが、孤独だったらどうでしょうか。どちらの部分も使われないことになります。ネットワークは使わなければ、減少することは前述の通りなので、使われない脳神経細胞は、減少していきます。

なので、人との交流を持ちましょう。何も、毎週パーティに出ましょうといっているわけではありません。大勢いる場が好きな人もいるし、2人が好きな人もいます。(私は少人数派)
大切なのは、人と交流するということです。趣味のサークルなどで古くからの友人と交流しつつ、新しい場所に行き、新しい人間関係を作ることで、新しい脳神経回路の形成に役立ちます。

知的活動や食事、運動に人付き合い(社会的要素)を組み込みましょう。友人たちと読書会をしたり、新しい趣味を始めてみたり、食事を楽しんだり、スポーツを楽しんだりすることで、さらに脳神経細胞は活性化しますし、人生が豊かになります。

認知症予防のために取り入れたい笑いの習慣

認知症予防のコツ笑顔
笑いの効用
筋肉の運動と弛緩
認知機能の低下の防止
ナチュラルキラー細胞の活性化
心拍数と血圧の改善
ドパミン報酬系の刺激
コルチゾール値の減少
長寿の促進

笑いの効用は様々ありますが、あまり笑わない人では認知機能低下に関連した症状がより多くみられるという調査があります。

笑いはやる気をおこす「笑いモジュール」と呼ばれるものを活性化し、他人の笑い声を聞くと、二人ともニューロン回路が活性化されます。

顔の筋肉や体の筋肉を使うので、筋肉の運動になります。

笑うことで、認知機能が低下するのを防ぎ、また笑うことで、免疫力が上がります。

笑うことで、喜びの期待感をもたらす神経伝達物質ドパミンが放出されます。

笑うことで、ストレスホルモンのコルチゾールが多量にたまることを防ぎます。

顔と社会脳のネットワークには双方向のフィードバックがあるので、笑顔がポジティブな気分を引きだします。

そして、ユーモアがあると、なおいいでしょう。ユーモアを共有することは、自分と他人のつながりを広げてくれます。健康的なユーモアのセンスは日々の緊張やストレスをためる心配事から解放してくれる。じぶんと相手のある状況でのユーモラスな理解やおかしな解釈を共有すると、二人ともその緊張から離れられ互いに理解し合えたことで元気になれます。

まとめ

脳の活性化と認知症予防、ネットワーク構築・拡大のための生活習慣について私のセミナーでは、よく植物に例えてお話します。よい芽を育てるために必要なのは、良い土、雨や日光などの環境、そして肥料です。これらがまんべんなくあることで、良い芽が育ちます。

脳のネットワークも同じです。

脳トレ(知的活動)、運動、食事、人付き合い(社会との交流)、笑い、これらをまんべんなく整えることで、脳を活性化し認知症予防に役立ちます。
(病気などがある場合の運動や食事内容は医師に相談してください)

脳神経細胞やネットワークは、使わなければ減少していきますが、脳神経細胞を使うことで
脳のネットワークを増やすことは可能です。
そのためにはぜひ、興味を持って新しいことを学び、栄養をとり、運動をしましょう。その時には、一人でやるのもいいですが、社会と関わりながらできる方法も考えてみましょう。

何度も書いていますが、一人で追い詰められたように暗い顔をして、認知症予防に取り組むより、仲間と一緒に楽しみながら脳の活性化をしたほうが楽しめます。

なぜ、認知症予防をしたいのでしょうかと聞かれたら、多くの人は人生を楽しみたいからだと思います。(認知症になったかあらといって人生を楽しめなくなるといっているわけではありません)

これから先の人生をより楽しむために脳を活性化するはずなのに、ストレスがたまるような辛い食事や運動をすると、手段が目的になり、本末転倒です。

これから先の人生を楽しむためにやるのですから、やっている最中から楽しみましょう。

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