認知症は治る!と言い切っている人の言葉本当に信用できるのか?認知症のインフォデミックに振り回されていませんか? | ハッピー介護サポートセンター

認知症は治る!と言い切っている人の言葉本当に信用できるのか?認知症のインフォデミックに振り回されていませんか?

治る認知症

認知症は年々増加している社会問題なので、認知症に対する知識や理解は今後重要な課題となっていきます。

その中で現在様々な企業や個人が認知症に対する情報を発信しています。

その中で、最近は動画などで認知症は治る!と言い切っている人たちが少なからずいらっしゃいます。

確かに認知症には、治せるものもありますが、一般的な認知症のイメージを持っている方の認知症は改善や進行を遅らせることはできても完治はできないものです。

私は認知症患者さんを抱える家族や関わる人に対しては認知症を治す、治さないという答えを探して縋るのではなく、認知症に対する正しい情報を得て、理解することが重要だと感じています。

今は誰しも情報をたやすく発信できるようになっています。

その情報によって振り回されて、すがってしまう人が非常に多くなっているように感じます。

新型コロナウイルスでも不確かな情報であるインフォデミックが多くの人を惑わしトンデモ医療や陰謀論などを信じる人が多発しました。

この現象は認知症に対しても密かに起きていることを私は危惧しています。

確かに認知症を治したい!そう思いますよね。

その気持ちはよくわかります。

しかし、現実には、認知症は治せる認知症と、治せない認知症が存在します。

この記事では、情報に振り回されずに認知症を正しく理解することの大切さをお伝えしたいと思います。

治せる認知症と、治せない認知症とは?

認知症は治せる!と言い切っている人が動画やネット広告などでも出てきますが、本当ですか?

という質問をされたことがあります。

そのかたのご家族がなっている認知症の症状や診断結果をお聞きしたところ、残念ながら進行を遅らせることができる可能性はありますが、治すことは現在の医学では難しいものだとお伝えしました。

治せるという認知症も確かにあるのですが、それも100%はないかもしれません。

では、治せる認知症とはどのようなものなのかというと、いくつかありますが、代表的なのはこの二つです。

1.正常圧水頭症

特発性正常圧水頭症は、高齢者になり脳脊髄液が脳内に貯留し、歩行障害、尿失禁、認知症などの症状が発現する疾患です。余剰な脳脊髄液を体内で吸収できるようにデバイスを留置する脳脊髄液短絡術(シャント手術)で症状が改善することが知られています。

(順天堂大学サイトよりhttps://www.juntendo.ac.jp/news/20200326-01.html

 

2.慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、忘れてしまうような軽微な頭部外傷などの後、通常1~2ヶ月かけて、頭蓋骨の下にあり脳を覆っている硬膜と脳との隙間にじわじわと血が貯まってくる病気です。

血腫が脳を圧迫した結果、頭痛、物忘れ、認知症症状などの精神症状、失禁、半身に力が入らない、歩行障害、などの症状を呈する事が多いです。年間発生額度は人口10万人に対して1~2人とされ、右か左かのどちらか片側に血腫ができることが多いのですが、時には両側性(約10%)の患者さんもおられます。

基本的には正しく診断がなされタイミングを逸することなく治療が行われれば完治する、予後のよい疾患です。(東京女子医科大学)

これらの場合は完治が期待できる認知症と言われています。

認知症の原因となる病気が治せるものであれば、治る認知症というわけです。

逆を言えばこの二つ以外であるアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)脳血管性認知症などは治すことは限りなく難しいと言えます。

なぜ治せる!と言い切ってしまう人がいるのか?

治せると言っている人の中には、寄り添うことを必要とせずに〇〇を摂取したら認知症は治る。

食事などの改善で認知症はよくなる。

〇〇を使えば…など言っている人が多いように感じます。

その理由の一つには、一般的な見解の逆説を主張することで動画などの視聴数を増やしたいという思惑がある。

もう一つは、トンデモ医療でも言えるのですが、他に手段がなく、藁にもすがる思いの人たちを集客して商品、サービスにつなげたいという思惑が少なからずあると思います。

実際によく観てみるとその人たちの主張は途中で論点がすり替わったり、主張に根拠やエビデンスは無いというがわかります。

アルツハイマー型認知症は100%原因がわかっていない未知のものでもあるので未知のものに対して恐怖を煽っている人たちがいるのです。

認知症のインフォデミックに振り回されないために

私は認知症は現代の医療では完治できるものではないと考えています。

その理由は、アルツハイマー型認知症などの100%原因はまだ解明されてないからです。

これは厚生労働省のホームページにも記載されています。

ただし近年では、脳にたんぱく質が蓄積することが原因の1つだと言われていますが全ての原因が究明されているわけではありません。

原因がわかっていないのになぜ完治できるのでしょうか?

新型コロナウイルスも未知のウイルスなので、ワクチンを打ったから100%大丈夫とも言えないですよね。

物事は原因があり、結果があります。

原因と結果がわかるからこそ、その原因を突き止めて改善すれば結果が変わるのです。

世の中には様々な情報が流されています。

その中で正しい情報を選択できるスキルが認知症を理解するためにも必要なのです。

アルツハイマー型認知症は2021年6月に、日本の製薬大手エーザイとアメリカのバイオ医薬品大手のバイオジェンが共同開発した、アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」。アメリカでは6月に販売が承認されました。

これは、異常なタンパク質のアミロイドベータを取り除くことで神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行を抑えるという薬なのですが、治療薬の前提となっているアミロイドベータを減らすことが、症状の改善に繋がるという仮説が科学的に証明されていないので日本では承認はされていません。

世界中で科学的にも様々な研究がされていますがまだ認知症を完治させるものは存在していないということが事実です。

その事実がありながら、なぜその辺の動画で完治できるというただの主張を信じてしまうのでしょうか。

認知症ケアはストレスを感じることなく共存していくことを考える方がいい

これから先の未来には認知症は完治できるようになるのかもしれません。

ですが、それはまだまだ先の未来の話です。

私たちが今できることは、根拠のない情報に振り回されずに、時流を見極めて、認知症に対する正しい知識を得て理解することです。

当協会では、認知症を正しく理解するための体験型のセミナーを行っています。

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