最近、ボーっと考え事をしていると、行き慣れたスーパーなのに、道を間違えそうになる。
曲がらなくちゃいけないところをまっすぐに行ってしまい、交差点を通り過ぎた後にハッと気が付く。
これって物忘れ?
このようなことがあると、私、認知症かしら?そう思うかもしれません。
多くの人が「認知症になりたくない」と思っていますが、認知症により周りに迷惑をかけたくないという理由もあるでしょう。
認知症の症状は様々ですが、その症状の一つに、病院受診を拒否するという症状があります。
「病院なんていかない」と言い張る。
病院に連れて行こうとすると怒って暴れだす。
このような場合、家族はどうしていいのかわからず、困ってしまいます。
そうなると、認知症の本人も家族も、辛い介護になってしまうでしょう。
そんなの嫌だ。
だから認知症になりたくない。
そう言いたくなる気持ちもわかりますが、認知症を予防する方法はありません。
でも、認知症になっても、自分も家族も困る行動をすることを避けることはできます。
このブログでは、万が一あなたが認知症になってもスムーズに病院受診ができる方法、受診を拒否した時も家族が困らない方法をお伝えします。
なぜ病院受診を嫌がるのか
認知症が原因で病院受診を拒否する理由は、自分の障害を正しく認識できないことや、認識の変化により、病院受診の必要性がわからなくなったり、病院でなにかされるといった妄想によるものなどがあります。
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また本人が受診を希望していても、家族が消極的な場合、適切な時期に受診することができず、受診のタイミングを逃して、認知症が進行してしまい、本人が受診を拒否し始めてしまうということもあります。
「認知症って物忘れをするだけでしょ?」
そう考えて、受診しない人、受診させない家族もいるのですが、受診しないまま認知症が進行すると、
実際に入院などが必要になった時に、大いに困るといったこともあり得ます。
できるだけ早いうちに病院受診を勧める理由
病院は早いうちから(認知症が軽いうちから)受診しておいた方がいいでしょう。
その理由は、
治療によって回復可能な認知症を見逃さない
慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症など、治療によって回復可能な認知症があります。
このような場合は、適切なタイミングで適切な治療を受ければ、認知症の症状が改善することもあります。
不安を軽くし、病気を正しく理解できる
認知症の初期、本人は「なぜだかわからないのに、できなくなっている」という不安を抱えることが多くあります。
人はわからないことに対し、不安や恐怖を感じます。
(気持ちを支えてくれる人は必要ですが)病気が原因であることがわかれば、認知症が進行する前に認知症や認知症介護にかかわる情報を集めることができます。
また、病気のことを理解して、病院と信頼関係を築くこともできますし未来に備えることもできます。
このように、未来の準備をすることができれば、本人も家族も病気に対する覚悟ができますし、未来に備えて行動することで、不安が軽くなります。
信頼関係の構築
決まった病院がないまま認知症が進行し、認知症の人が病気などで入院などになった時、人や場所の環境の変化についていけず、暴れたり、騒いだりすることが多々あります。
そのため、初めてかかる病院では受け入れてもらうのが難しかったり、また症状がひどければ、本人の体を守るために、薬を使う場合もあるでしょう。
こういった環境の変化などは、認知症の進行を大幅に早めます。
でも、認知症の初期から病院や医療関係者との信頼関係を作っておけば、何かあった時でも、この病院なら大丈夫、この医師なら大丈夫と自分も家族も安心して病院にかかることができます。
このように、なるべく早いうちに病院を受診したほうがいいのですが、実際認知症になると、これらのことを忘れてしまい、病院受診を拒否してしまう可能性があります。
また、拒否された場合の対応方法を家族がわからないと困ってしまいます。
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病院受診を拒否しないためには?
認知症になると、記憶力や理解力、判断力などが低下・障害され、病院受診の必要性がわからなくなってしまうかもしれません。
ですから、認知症になる前に、自分のトリセツを書いておきましょう。
トリセツには、病院受診を拒否しないために、自分に向けて病院受診の必要性や時期などを、家族に向けて、病院受診を拒否したときの対応に役に立つ情報や、具体的な対応方法を書いておきましょう。
そして出来たら、あなたが認知症になったらかかりたい病院を事前に調べておいてトリセツに書いておくとよいでしょう。
なぜなら、もし認知症になった時、どんな病院を選ぶかは、認知症の進行や、生活の質に大きくかかわってくるからです。
認知症の症状は人それぞれ
認知症の症状は、人それぞれ違います。
いろいろな症状があり、また症状の原因も、表現も人それぞれ違います。
例えば、病院受診を拒否する理由も、「だまされている」という人もいれば「必要ない」という人もいます。
また対処方法も、往診なら大丈夫という人もいれば友達となら受診できるという人もいます。
なぜなら、このような認知症の症状は、生まれてからの過去、そして今現在の環境が大きく関わっているからです。
ですから、何が原因か、適切な対応方法を伝えるためには、自分のトリセツが重要になるのです。
あなたが認知症になったとしても自分や周りの尊厳を守る、良いケアを受けるためには自分のトリセツが重要になるのです。
まとめ
認知症になった人全員が、病院受診を拒否するわけではありません。
でも、病院受診を拒否する可能性もあります。
ですがこのようにトリセツをつくっておく、少しの時間を使って準備しておくことで、自分も周りも困る症状を一つ減らすことができ、また認知症になったとしても、自分らしく生きることができるのです。
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