認知症疑似体験VR™️とは
私たちは、認知症の人との日常生活にありがちな細かいシチュエーションに関して、どうコミュニケーションをとったらいいのか、どうコミュニケーションを取れば良い関係性が築けるのかという講習の方がメインです。その理解の促進のためにVRという手段を使っています。
そのため、セミナー(学び)の段階に応じた認知症疑似体験VRを作成、提供しています。
当協会ではまず、認知症を理解するための講座が先にありました。
しかし、より認知症を深く理解するためには、(VRの中で)自分が認知症の人になり、日常生活の中での体験やそれに伴う周りの人とのコミュニケーションを経験することで、認知症の理解と、その先のじゃあどうしたらいいのだろうかというところまでを主体的・対話的に学ぶことができる仕組みになっております。
多くの人は自分の目線から物事を見ています。しかし、認知症疑似体験VRを通じて認知症の人からの目線も手に入れることで、主体的に(好奇心を持って、認知症や認知症介護を学ぶ、また自ら良好な関係性の構築方法について思考、判断、表現する)学んでいただけます。
また、このVRは、認知症の人、介護者が登場し日常生活のやり取りを行いますが、第三者の視点(対話的な視点)からもやり取りを学ぶことができます。
認知症疑似体験VRセミナーを受講することで、認知症の人とのコミュニケーションの改善のきっかけになります。認知症はコミュニケーションや関わり方で、状態が変化します。良質なコミュニケーション、関わりをすることで、認知症介護・対応は楽になります。
また、認知症であってもなくても、コミュニケーションの基本は同じだという考えに基づいて作成していますので、普段のコミュニケーションに役立つという声もいただいています。
認知症疑似体験VR 開発の狙い
「認知症の人とのコミュニケーションって難しい」
それは、認知症の初期からずっと感じることかもしれません。認知症が進行してきたら、余計にそう感じるかもしれません。
私は32年の認知症介護の中で、認知症の進行度合いに限らず、介護者は認知症の人とのコミュニケーションが難しいようだと感じてきました。
それは、介護者が考える認知症の世界と、認知症の人が感じている世界に大きなギャップがあるからです。コミュニケーションが難しい原因は、理解不足にあると言われていますが、だとすれば、認知症が進行し、生活のほとんどに介助が必要な人から見た世界を理解することで少しでも両者のギャップを埋めることができたらより良い世界になる、そう夢見ています。
また、認知症を理解し、主体的・対話的に学んでいただくことで、「認知症介護が辛い」という気持ちから、「認知症介護があっても大丈夫!」という気持ちや捉え方にシフトしていただくことを狙いとしています。
VRコンテンツ紹介
認知症の人はどのように世界を感じているのかということが認知症介護・対応が楽になるためのコミュニケーション術のまず初めの学びです。
私たちが普段何気なく過ごしている日常生活、他人とのコミュニケーションが認知症が進行し、認知機能が低下するとどのような世界になるのか。お互いに常識だと思っていることが通じなくなったら?
内部認識(自分の持つ認識)と外界認識(多くの他人が持つ認識)が変わるとどのような世界になるのかをVRやワークを交えた講座を通して理解していただきます。
▶︎名前がなくなる
私たちは、認知機能が働いて、認識ができるからこそ、相手の言うことが理解できるのです。もし、認知症になって、認識ができなくなったら?
▶︎食卓の白い箱
私たちは、認識ができ、物事の概念があるからこそ、行動できます。では、物事の概念がなくなったらどうなるでしょうか?
▶︎時空の旅
私たちは、物心ついた時からの記憶があり、今自分が何歳なのか知っています。でも、認知症になって記憶が障害されると、どのような行動になるのでしょう?
私たちは過去を覚えているから、今の自分の状況がわかるのです。もし、過去を覚えていないとしたら・・・?
受講者の声
主催者の声
◆今日、訪問で伺った施設では、「とっても良かったので職員全員に体験させたかった」と言われました。
また是非お願いできたらと思います。本当にありがとうございました。
◆セミナーを受けたという方からとても楽しく学べたとの事でした。
◆職員が自ら学ぶ姿勢が見られました。研修後も、自ら対応を考えているようです。
体験者の声
●VRや図や写真を入れながらわかりやすく説明してくれるので、文字だけや言葉だけで聞くよりも断然わかりやすくて体感できると思った。
●360度の視界や音声などリアルに感じられて良かった。認知症は「ぼんやり」が進むものと思っていたが、記憶のツボの壊れたところ(20歳とか)では自分はハッキリしているんだなと。混乱すると思った。
●認知症のケアに携わっている方のほとんどは悩み、想像していて、さらにそれに疲れてしまい結果仕事をやめてしまう人もいると思う(自分の周りにもいた)その人たちが今回の講師の話を聞く機会に恵まれていれば、今も続けていたと思うと残念。もっともっと多くの人達に聞かせたいと思った。
●認知症の方の気持ちがわかった。介護者が怒っても、本人には「なぜ怒られているのかわからない」から怒っても仕方ない。怒ることは悪影響でしかないと思った。「思い出して」とか「考えればわかる」という言葉に意味がないことを学んだ。
●介護する側の物言いは大事だなと思った。普通に言っているつもりでもキツイ言い方に聞こえたり、わからないのにガンガン言われるのは辛いこと。一つひとつの言葉を丁寧にしたい。
●介護している側がイライラしている口調だと、相手もイライラする口調になることを再認識した。
●介護する側は正しいことを言うかどうかよりも歩み寄ろうとする態度が伝えられるかどうかが大切かもしれないと感じた。母と同居しているが、時々花子(VRの登場人物)になってしまっているかも…と感じた。仕事中ももしかしたら花子になっているかも・・・?お互いに笑顔になれるような接し方ができればと改めて思った。
●話を聞くだけではわからなかったことがVRでわかった。「認知症が怖い」という気持ちが「楽しむ」に変わった。ありがとうございました。
●VRが入ることで、言葉で説明された時より、より一層自分の中で理解できた。
また、認知症の人の立場に立てたので、こちらからの言葉かけの仕方がこれから変わると思う。
●『楽しく認知症を理解すること』を周りの人にも教えたい、と思います。今までは「理解したつもり」になる講座や勉強会だったため、実際の現場で寄り添いきれてなかったと実感しました。
●日ごろ介護者側の立場でものを考えすぎていたが、相手を目の前にした時に一緒に時空の旅に行き、笑顔をふやせたらと思います。名前がない、行為ができないなど現場で見てきたシーンがすごくわかり、こんな対応ができたかもと回想できました。
他多数、喜びの声をいただいています。