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認知症の人が何度もトイレに行く場合、認知症だからと諦めるのではなく、まずは病院を受診しましょう

認知症でトイレが頻回

さっきトイレに行ったと思ったら、またトイレに行っている。

30分毎にトイレに行く、行ったばかりなのにすぐにトイレに行く。

トイレトイレと言って、1日に何度も通う。

認知症の人がこのように何度もトイレに通うと「さっきもトイレに行ったよ」と言いたくもなるかもしれません。

1人でトイレに行けるのならまだしも、出先だったり、トイレに行くのに介助が必要なら、なおさら負担を感じるでしょう。

認知症の人がこのように、1日に何度もトイレに行くとき、多くの人は「認知症で何もわからなくなった」とか、「認知症だからトイレの感覚がわからなくなってしまった」と認知症が原因だと考えるのではないでしょうか?

確かに認知症になると、トイレに行ったことを憶えていなかったり、体の信号をうまく受け取れなかったりという理由から、トイレに何度も行くことがあります。

しかし、トイレに何度も行く理由はそれだけではありません。「認知症だから」と放っておかない方がいい場合もあります。

このブログでは、認知症の人が何度もトイレに通う場合の対応と考え方についてお伝えします。

動画もわかりやすくておススメです↓↓↓

認知症の人がトイレに何度も行くのは病気が原因のこともある

1日にトイレに何度も行く。

このようなことがあると、介護している人は、「気を取られたり手間を取られたりして困る」そう思うかも知れません。

しかし、一番困るのは、その症状の奥に病気が隠れていて、それに気づかない事ではないでしょうか。

トイレに何度も行く場合、いくつかの原因が考えられますが、そのうちの一つに何らかの病気にかかっていることが考えられます。

認知症だと体の不調をうまく表現できなくなる

認知症になると、自分の体の状態を把握したり、適切に表現することが難しくなります。

しかし、そこで認知症だからと言って、認知症の人の訴えや行動をすべて認知症の症状だと考えてしまうと、治療可能な病気を見逃したり、病気が悪化してしまうこともあります。

また、体に不調があり、辛い・痛い・苦しいなどの症状があると、BPSD(認知症の人の行動・心理症状)と呼ばれる症状に結びつきやすくなります

例えば、
病気があって頻尿になっているのを認知症の症状と思い放置

病気の悪化

さらにトイレが頻回になる+BPSDの症状がでる

介護がさらに大変になる。

このように悪循環に陥る可能性もあります。

そうならないためにも(本人から体調が悪いとか、苦痛の訴えがない場合でも)トイレに何度も行く症状がある時には、まずは病気(器質的疾患)の可能性を考えてみましょう。

トイレに何度も行く場合、まずは病院受診をしてみましょう

認知症で、自分の体の状態を把握できなかったり、適切に表現できないのであれば、気づいた周りの人が、介助する必要があります。

ですから、1日に何度もトイレに行く場合、認知症の症状、認知症による訴えだとは思うより先にまずは病院の医師に相談・受診してみましょう。(本人がいけない場合には、家族が先に相談に行くのもいいでしょう)

トイレに何度も行くようになる原因には、泌尿器(腎臓・膀胱・尿管など)の病気、糖尿病などの内科の病気、尿量を増やすような薬の内服、水分の多量摂取などがあります。
参考:日本泌尿器学会

普段と違うことがあればまずは病院に相談・受診。認知症の症状、認知症による訴えと考えるのはそれからでも遅くありません。

まずは病院受診を勧める理由

「トイレに何度も行くのは認知症だから」そう思っていたけど実は病気だった。そんな事例も少なくありません。

特に高齢になると、筋力や栄養状態、身体機能の低下により、様々な病気にかかりやすくなります。

病気が原因でトイレに何度も行く場合は、治療することにより、症状が改善する場合があります。

逆に放置すれば症状は治らないですし、病気が進行・悪化することもあります。

頻尿の原因が病気であるとわかり、治療によって治る可能性があると思えば、本人も家族も安心することができるでしょう。

大切なのは、思い込みをはずすこと

認知症があると、症状や訴えの多くが認知症によるものと思いがちです。

でも、実は病気による症状があって、それをうまく表現できずに認知症の症状として出ている場合もあります。

病気であれば、治療できる可能性がありますが、認知症によるものだという決めつけや思い込みは、その可能性を見落としてしまう原因となり、治療せずに悪化してしまう可能性もあります。

ですから、何か症状がある場合、いきなり認知症の症状と考えるのではなく、まずは認知症の人の体の病気や体調不良の有無をチェックしましょう。

もちろん、頻尿になるのは病気だけではなく、さまざまな要因があります。

しかし症状の原因がわかれば、解決策がみえてきます。

専門知識がなければわからないこともありますが、大切なのはそこではなく、「〇〇だから」と決めつけるのではなく、既成概念にとらわれず、その人の状態を見て、あらゆる可能性から症状を考えてみるということではないでしょうか。

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